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新しい「女性映画」の誕生

この映画を見て、あなたは「こんな風に愛してみたい」と共感されるだろうか?「こんな風に愛されたら恐ろしい」と畏怖されるだろうか?
いままで女性のみを一貫して描いてきた監督の常本琢招が今回描くのは、自分にとっての“神”ともいうべきひとりの男の愛を求めて、その情熱に取り付かれたように行動していく凄絶なヒロイン。
たとえば増村保造監督作品の若尾文子や、フランソワ・トリュフォー「アデルの恋の物語」のイザベル・アジャーニがそうであったような、鮮烈なヒロインを現代に蘇らせたい。愛を求めて一点の迷いもなく突き進むヒロインを、この迷い多き現代に解き放ってみたい-―
『蒼白者 A Pale Woman』 は、クールで強烈なヒロイン像を描き切る「女性映画の新たなスタンダード」を目指して作られた。






日本でもキネマ旬報ベストワンになるなど話題を呼んだ『息もできない』(ヤン・イクチュン監督)に主演、韓国でも屈指の若手実力派女優が惚れ込み、日本映画初出演を決めた今回の企画。
きっかけは2011年。監督常本琢招がゆうばり国際ファンタスティック映画祭のコンペ部門に短編を出品した。同映画祭にゲストとして招かれていたキム・コッビと出会い、その透明感あふれる魅力にノック・ダウン、その場で出演をオファーした。
コッビが日本で撮影された映画に出演するのは本作が初。『息もできない』での激情をぶつける演技とは対極に、クールな表情の下に女の愛憎を押し殺しながら行動する今回の演技では、無表情の中に怒り、愛、悲しみ、喜びなどあらゆる感情を無限のニュアンスで表現。今後の映画界で重要な存在となっていくだろうキム・コッビの底知れない才能を見せ付けている。
監督常本のこだわりにこたえ、海を越えてやってきたキム・コッビの女優魂。日韓のコラボに目が離せない!




本作を企画・監督したのは20歳代で作った処女作がPFF入選、30代はオリジナルビデオの世界で注目された後、40代はテレビの世界で活躍していた常本琢招(つねもと・たくあき)。
大阪の映画助成制度「CO2」から制作の権利を得たことで作られた本作は、監督常本にとってはじめての「一般劇場用映画」。常本が信頼する様々なスタッフ・キャストが終結した。
まずは、ヒロイン・キムが鮮烈な愛を一途に捧げる相手役に『ヘブンズ ストーリー』の忍成修吾。監督常本がある映画のメイキングを担当して出会って以来、その存在感に魅せられ出演を待望していた。本作では、内側に純粋さを保ちながらも生き方を見失い、漂うように生きている男という難しい役柄に挑み、新境地を開拓している。 さらに90年代の日本映画で活躍、その後第一線から退いていた中川安奈(『敦煌』『Aサインデイズ』『CURE』)は監督常本の熱望で久々にスクリーン復帰、衰えぬ魅力を見せ付けている。そして常本とは旧知の長宗我部陽子(『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱(こ)を使う』)、宮田亜紀(『先生を流産させる会』)も参戦。さらには『ピンク映画の黒澤明』といわれる巨匠・渡辺護が黒幕役で参加、存在感あふれる演技を見せている。
撮影は行定勲作品で知られる福本淳が担当。
2011年末から2012年1月まで大阪で全編をロケ、地元の猥雑で濃密な雰囲気をスクリーンに落としこんでいる。